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「D4」って何?
従来のパネルセイルでは、セイルにかかるロードと繊維の方向を完全にマッチさせるのは困難でした。 そこで、ロード方向に合わせて柔軟に繊維を配置しラミネートする技術が開発されました。それがD4です。
正確に配置された繊維の方向とすぐれたラミネーションにより、より良いセイルシェイプを保ち、
また長寿命なセイルが完成しました。
最新のテクノロジーを駆使するD4ですが、けしてグランプリ・レーサーの為だけにあるわけではありません。
多様な繊維と数種類のフィルムの組み合わせにより、D4はGPレーサーからクラブレーサー、 あるいは違いの分かるクルージングセイラーまで、 あらゆるジャンルに最適のセイルを選択していただけます。

The D4 ADVANTAGE

繊維が、セイルの応力に沿って曲線状に配置されている
下図左は当社のD4メインセイルのヤーンマップを簡単に示した物です。
1本1本の線は、それぞれ繊維を表しています。右にある従来のラジアルパネルセイルと比べてみて下さい。
本来、セイルにかかる力は「連続した直線」ではなく、曲線状になります。これこそ、D4セイルのヤーンが曲線状に配置されている理由です。
結果として、従来の一般的なパネルセイルに比べよりスムーズにセットでき、より良いシェイプをより長期間保つことができるのです。
 
 
 
 
 
正確な繊維の配置
「D4」の繊維は、上から下まで単純に連続したものではありません。 いくつかのセクションに分かれています。その為、各セクション毎に最適な数の繊維を配置することができるのです。
それぞれのセクションは、標準的なセイリングコンディション下のみならず、リーフ時をも考慮してカスタムデザインされています。
D4メインセイルのヤーンマップでは、リーフ時に新たなタック及びクリューにかかる放射状の応力にそってヤーンが付け加えられています。
これによって、リーフ時でもセイルシェイプにゆがみが生じる事無く、あるいは、ラミネートの剥離等のトラブルも防ぐことができるようになりました。
シドニー〜ホバートレース等、真の外洋レースが盛んなオーストラリアで生まれた「D4」は、リーフ時の性能をも考えているのです。
ヘッドセイルのリーフ
ヘッドセイルにも、リーフができるようになりました。
従来のトライラジアルセイルのように、3つのコーナーから放射状にヤーンを配置するのではなく、D4ヘッドセイルではリーフ時のコーナーにも繊維を配置 しラミネートすることができます。
これは、メインセイルと同様にセイルシェイプのゆがみ無しにリーフ出来るということを意味しています。以前のトライラジアルセイルではおそらく こうはいかないでしょう。
ローラーファーリングセイル
D4理論はファーリングセイルにも有効です。
ファーリングブーム用のD4ファーリングメインセイルでは、通常のD4セイルと同様にリーフ時のロードに沿った方向にヤーンを配置しています。
通常のセイルでは、大きなリーフパッチが配置されリーチ部分の厚みが均一でなくなるため、セイルがスムースにファーリングされません。
D4セイルでは、こうした問題を起こすことなく、そのラミネートにより連続したリーフポジションが得られます。
ローラーファーリングヘッドセイルも同様にデザインされています。それぞれの繊維はリーフ時に生じるロードを相殺するよう配置されているのです。
強固な接着
D4セイルのラミネイトには通常のセイルラミネイトに用いられる物よりもより強力な接着力を持つ「サーモプラスチックレジン」が使用されています。 また、D4はいくつかのセクションに分かれているので、ラミネイトされる個々のパートはシェイプ前は平らです。つまり、接着段階で外部から圧力をかける際に実質上のリミットがありません。これは、デラミネーションを防ぐためには、きわめて重要なことです。そしてさらに、ラミネート時に必要な接着剤の量も少なくて済むので、より軽量なセイルを作ることができる、という事でもあるのです。
繊維

D4セイルは、グランプリセイラーの為だけの物ではありません。
クラブレーサーやディープなクルージングセイラーにとっても満足していただけるセイルを作り出すべく、開発は日夜続けられています。
従来からあったケブラー以外の新素材やそれらを複合する等、新技術の使用によって、それぞれの分野で究極の性能、耐久性を実現しています。
「HM TWARON(ハイモジュラス・トワロン)」(→詳細へ)
「KEVLAR49(ケブラー49)」(→詳細へ) 「PBO」(→詳細へ) そして「カーボン」等の繊維はグランプリレーサーに究極の伸びの少なさを提供。 一方、「PENTEX(ペンテックス)」は通常のポリエステルよりもより伸びが少なく価格はケブラーよりも安く、クラブレーサーやクルージングセイラーにとって理想的な繊維です。

Farr40 ワンデザインクラスのメインセイル。ハイモジュラストワロンとPBOをUVフィルムでラミネートして作られています。
究極の耐久性

スピードよりも耐久性を求める方には、ポリエステル・タフタ(超軽量な織物)をセイル表面に張り付ける事により、折曲げや摩擦に強くなり、 また、紫外線のダメージも軽減することができます。これは、片面、或いは両面に処理することができます。

紫外線耐性
セイルメイキングに用いられる繊維の寿命は、太陽光線の有害な効果、 とりわけ紫外線により著しく低減します。
スタンダートPETフィルムに対し、透明な紫外線吸収フィルム、あるいはダークグレイの紫外線吸収フィルム各々を用いたD4ラミネートサンプルの比較テスト を行った結果がこれです。
ハイモジュラストワロン繊維のサンプルに通常のPETフィルムを用いた例では、40日間太陽光に曝した後に重大な強度低下が生じています。(37%減)
対して、透明な紫外線吸収フィルムを用いたサンプルではわずか13.9%減に留まっています。
興味深いことに、グレイのフィルムは透明の紫外線吸収フィルムとほぼ同じ結果が出ており、透明な紫外線吸収フィルムがよりよい結果となっています。
大型クルージングヨット
大型クルージングヨットには、 ベクトラン繊維(→詳細へ) が適しています。
伸びにくさではケブラー29と同じくらいですが、ベクトランの方が曲げに強くなっています。
紫外線や摩擦から繊維を保護するため、ラミネイトに軽量のタフタと紫外線吸収フィルムを用います。
ベクトランは高性能クルージングヨットには最適なマテリアルです。
工程
ストレスマップは、セイルにかかるロードの量と方向、 展開時のセイルにかかるロードの効果を分析し図示したものです。
セイルに用いる繊維の量と理想的なセイルの構造を生み出す為に要求されるヤーンの配置は、最終的なモールドシェイプの分析により
生み出すことができます。
製造工程は、耐紫外線レジンでコーティングされた大きく平らなポリエステルフィルムのセクションから始まります。
それぞれのセクションは、僅かながら正確な三次元シェイプが求められます。
例えば、5バテンのメインセイルは主として6つのセクションに分かれます。
この上に、コンピュータ制御されたマシンがそれぞれのデザインに基づいて、正確なカーブを描いて繊維を配置していきます。
この工程が終了すると、軽量のスクリーンを重ねトップフィルムと圧着します。
ラミネーションには、外部から圧力をかけ、温度を上げてフィルムと繊維を強固に接着します。 それぞれのセクションは大型のX-Yプロッターでカットするライン、 つまりパネルのエッジ、リーチ、ラフ、そしてフットのカーブが引かれます。 そして、それぞれのセクションを互いに接着剤で張り合わせます。
戦 績
D4セイル使用艇の成績の一部です。
1st 2001 Australian Super 30 Bull 9000 Wild Bull
1st 2001 Strathfield Pittwater -Coffs Offshore Series IMS Nips 'n Tux
1st 2001 Pittwater-Coffs Harbour Race IMX 40 Nips 'n Tux
1st 2001 Singapore Straits Regatta Racing Class A Stella
3rd
2000 Hamilton Island Race Week (IMS) Nelson Marek 46 Quest
1st
2000 C/R Class C Toba Race Yamaha 31s 1st Graces
1st 2000 C/R Class A Toba Race Beneteau 47.7 U2
1st
2000 IMS Class A Toba Race Carrera Taylor 43 Carrera
1st 2000 Mumm 30 European Champs. Mumm 30 Seven
2nd 2000 Class1 Gutland Ruut (Sweden) Imx-40 Addboat.Com
1st 2000 Port Lincoln Race Week Farr 40 Young Australia
2nd 2000 Australian IRC Championships Sydney 38 Blowfly
1st 2000 Adelaide to Port Lincoln Race Ima 40 Secret Mens Business
1st
2000 Sydney- Coffs Harbour Nelson Marek 46 Quest
1st
2000 Australian Jog Championships Fuji Film
2nd
2000 Hamilton Island Race Week (IMS) Sydney 40 Sword Of Orion
1st
2000 Hamilton Island Race Week (PHS) Davidson 55 Midnight
1st 2000 Telstra Cup IMX 40 Nips n Tux
1st 2000 Sydney - Hobart Race Line Honours Nicorette
1st 2000 Sydney - Hobart Race Overall IRC Nicorette
1st 2000 Sydney - Hobart Race Class B IMS AFR Midnight Rambler
2nd
2000 Sydney - Hobart Race Overall IMS Quest
1st 2000 Australian Super 30 Champs. Mt. Gay 30 Shaya Moya
1st
1999 Australian Super 30 Champs. Bull 9000 Wild Bull
2nd
1999 Sydney Hobart Yacht Race Jutson 75' Brindabella
1st
1999 Port Lincoln Race Week Ima 40 Secret Mens Business
1st 1999 Channel Race '99 CMAC Nelson Marek 46 Quest
3rd 1999 Hayman Island Big Boat Ima Sydney 40 Sword Of Orion
1st
1999 Sir Thomas Lipton Cup Ima Sydney 46 Hi Fidelity
2nd 1999 Ord Minnet Regatta Farr 40 Od Corintian Doors
1st 1999 Ord Minnet Regatta Farr 40 Od Young Australia

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